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上田皮ふ科
共通理念に共感した仲間と患者さんの感動を目指して診療する『上田皮ふ科』
『上田皮ふ科』は院長・上田厚登さんが2015年に大村市で開設したクリニックだ。医師による確かな知識と、豊富にそろった医療設備を用いて、皮膚科診療や美容治療、医療レーザー脱毛などのさまざまな皮膚に関する診療が行われている。
『皮膚科専門医』と『美容・レーザー指導専門医』のいる上田皮ふ科
皮膚科といっても、診療科目として皮膚科を掲げている病院
「産婦人科をやっていて、ついでに皮膚科をやろうかみたいな先生もいますし、眼科や内科の先生がやったりとかがありますけど、やっぱり皮膚科のプライドですね。皮膚科医だからこそできる提供ってあるので、私は突き詰めようというところです」
皮膚科専門医として、患者さんに合った治療をわかりやすく説明し、納得してもらったうえで診療するという方法を用いていることから、患者さんも安心、信頼できるのではないだろうか。
気持ちが理解できるからこそできる、優しく丁寧な診療
上田さんは、幼少期から障害を持った兄のことをからかわれり、自分自身が社会人になってからも、壮絶ないじめを受けた経験がある。そのことから、痛みのある人の気持ちはよくわかる自身だからこそ、再現できる診療があると信じている。皮膚科として診るということに関すると、彼自身が幼少期にアトピーや喘息を抱えていたことからも、患者さんに対する共感は生まれ、患者さん一人ひとりに対して丁寧な診療がされる。また、そこから新たな取り組みも始まった。
「15分診察しても1分診察しても入ってくる報酬って変わらないんですね。一般的には皮膚科医院は忙しいので、つい、ぱっと話して終わってしまうことが多いです。そのようななかでも、私たちはしっかり患者さんと向き合います。私もアトピーと喘息を持っていたので、『アトピー性皮膚炎専門外来』を立ち上げました。新しい時代に入ったわけですよね。昔は、親も医療関係者じゃないので、『乾布摩擦せろ』と言われて、肌をこすったりしていました」
上田皮ふ科では、完全予約制で一人ひとりにしっかりと時間をとって診療するアトピー性皮膚炎専門外来を設立した。皮膚疾患などは治療や投薬に難しい判断を強いられることも多くある。上田さんは、皮膚科医が正しい情報を伝えていくことの重要性も感じている。
「特にアトピーについてだとか、最近SNSを中心にめちゃくちゃなことが書いてあったりするんですが、正しい情報を発信するということを皮膚科医がやらないといけないと思っています」
SNSの普及などにより、さまざまな情報が手に入りやすい分、誤った情報を鵜呑みにする人や、不確かな情報に困惑する人も多いという。そのような中で、医学的根拠に基づいた医療情報や技術を、悩みを抱えた患者さんに提供し、適した治療法を提案する。上田さんが、同じくアトピーで悩んだ幼少期を過ごしているからこそ、その辛さに共感することができ、親身になった診療ができるということだ。
「大事なのは心を開いてもらうことなんですけれど、それはこっちに寄り添う姿勢がないといけないんです。皮膚の症状の軽い重いに関わらず、実は悩んでる率はそこまで変わらない。そこは医者と患者のギャップですよね。そこに寄り添うことができるかどうかも問題です。特に私は兄貴のこともあったり、パワハラもあったり、痛めつけられたものの気持ちがわかるからこそ寄り添えるのかなと思ったりですね。いろいろな経験をした自分だからこそできることかなと思っています」
「スタッフ同士の目標を共有する時間として朝礼、昼礼をやっています。クレドに基づいて、1週間行動できたことをみんなで朝礼で言うんですね。クレドは私たちの医療理念で、基本的な信念なんです。これをスタッフが共通言語として理解して、これに基づいて判断行動しますという風になっております。内容は私が開業するときに作りました。仕事をしていると、生きていると色んなことで迷うことってあると思うんですけど、みんなこれを判断、行動の指針にしているんですよ。
この共通理念・クレドはクリニックのスタッフ、患者さん、地域社会への貢献を目指して作られたもので、これら三方への誠実な行動が、クリニックに縁のある人を支援者や協力者に変えていくという考え方のもと作られたものである。上田皮ふ科では、この理念に賛同する考え方を目的とした採用や教育を行っている。採用にあたっては、まずはこのクレドに共感してもらえることを前提としており、知識や技術が優れていることを理由に採用することはない。一般的な条件採用とは異なり、企業理念とのマッチングをした雇用を目指した理念採用を行っている。このような理念で経営を続けているうちに共感者は増え、長崎県が労働人口不足であるなか、上田皮ふ科では一度募集をかけると多くの方から応募が来るそうだ。働く人同士が同じ考え方や目標を持ち、ともに成長していくことで、組織としての永続的な成長を目指している。
上田厚登の「ひと」のひと記事は以下をご覧ください。