いとなみ研究室

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カンボジアの子供たちに、教育の提供を。上田皮ふ科PΛΛKの学校建設プロジェクト

取材・文

東南アジアに位置する、カンボジアという国。面積は日本の半分くらい、人口は11分の一だ。

今この国は、深刻な問題に直面している。貧しいために食べ物を充分に得ることができず、栄養不足に苦しんだり、十分な研修を受けた教員が不足しているため、教育の質が低い。そもそも、教育さえ受けられない子供もいる。

また、農村部に住む家庭では、親が都市部や海外に出稼ぎに行く。そうして親が不在の間に子供たちは、見知らぬ人、近所の人などに騙されて、人身取引や児童労働に従事させられてしまうケースも。世話をしてくれる保護者のいない子供たちは、「孤児院」に引き取られ、他の子供たちと共同生活をする。

 

ワタミグループが支援する社会貢献団体「School Aid Japan(SAJ)」では、そんなカンボジアの子供たちを救うため、自立支援をサポートする孤児院「夢追う子供たちの家」を運営したり、貧しい家庭の子供たちへ制服や文房具、食料を支給したりしている。

”1人でも多くの子どもたちに教育の機会を提供する”という活動理念に共感した大村市「上田皮ふ科PΛΛK」の院長 上田厚登先生は、SAJの”学校建設事業”をサポートすることに。去年からスタートしたプロジェクトの様子をお届けしよう。

プロジェクトのはじめの一歩は、2024年1月23日から27日までの4泊5日。ワタミグループの運営する孤児院の視察を行った。

「夢追う子供たちの家」では、未就学児から高校生までの子供たちが集団生活をしている。ここでは日本人とカンボジアの職員が、三食きちんと食事を提供し、学校に通わせ、農場では植物の育て方を教える。洗濯、料理、片付けなどの家事も、自立した大人になるためにしっかり教育するのだ。

「親がいらっしゃらなくて、捨てられたような子供さんだったとしても、教育の力と環境が整うと、人ってここまで変わるというか、可能性が出てくるんだなとびっくりしました。僕たちはもっと頑張らんといかんねと思いましたね。」

孤児院を卒業した子供たちのなかには、大学や専門学校に通い、看護師や医者の道を進む子も。親がいない寂しさを抱えながらも、人の役に立ちたいと努力する彼らの姿を見ていると、勇気をもらえたという。

 

2001年に活動をスタートさせたSAJは、今まで300校以上の学校を建設してきたが、必要とする校舎の数はまだまだ足りていない。古い校舎は屋根が抜けていたり、壁に穴が開いていたり。それでも学ぶ意欲を持った子供たちは、ぼろぼろの教室でえんぴつを持ち、一生懸命勉強しているのだ。

孤児院の視察を通して教育の偉大さを実感した上田先生は、寄附金で幼稚園を建て、1年後必ずまた戻ってくると約束した。

 

未来ある子どもたちの可能性を、信じたい

2025年1月27日、約束の日からちょうど一年後。幼稚園が完成したと知らせを受けた上田先生は、カンボジアを再び訪れた。「上田皮ふ科PΛΛK」の名を取って、「PΛΛK School(パークスクール)」と名付けたられた学校は、”公園のように誰にでも開かれた場所になってほしい”という願いが込められた。

「実は私も、まだ20代とか30代のとき、正直あまり方向性がわからなかったんですね。医者にはなれたんだけど、何のためになったのか、自分は本当は何がしたかったのか、分からなかった時があって。」

そんな時に、ワタミグループの代表 渡邊美樹さんの著書「夢に日付を」と出会った。夢を見失っていた自分を導いてくれた一冊だったという。上田先生の日記には、当時描いていた夢と、その横には日付が書かれていた。

「”大きな思考を持ちなさい”と書かれていたので、自分の中で小さく収まるんじゃなくて、大きな夢を考えました。そしてそれをより明確に、何年何月までにこれをしたいと決めたんです。福祉のグループホームもそうですし、障がいを持つ方でも働けるレストランをつくりたいなとかですね。」

皮膚科クリニックの院長でもある上田先生は、医療にとどまらず、幼い頃から夢見ていた福祉の道も歩き始めた。夢に日付をつけ、限られた時間を最大限に生かして自分のやるべきことと向き合った結果、いくつもの夢が叶い、その経験が自信になる。だからこそ、未来ある子供たちにも、夢を持つことのすばらしさを知ってほしいと願うのだった。

今回の訪問には、希望するクリニックのスタッフとその子供たちを引き連れた。この経験は子供にとって、”最高の社会科見学”だったのではないかと語る。

「カンボジアの研修に参加したという事実、1歩踏み出した勇気に拍手をしてほしいです。貴重な経験になったと思います。最初は不安な気持ちや緊張もあったかもしれませんが、現地の子供たちと触れ合ったり、海外でしか見られない景色を見て、自分の殻を破って新しい世界に飛び込むことができた。その勇気こそが大きな力になると思います。1歩踏み出した自分を、誇りに思ってほしいですね。」

またSAJでは、継続的に寄附をすることで、孤児院の子供たちの里親になれるという制度がある。上田皮ふ科は、7歳の少女 ティアリーちゃんの里親に。手紙を通して近況報告をし合ったり、ZOOMやSkypeで実際に会話をすることができる。身寄りのいない子供たちにとって、離れていても自分の成長を見守ってくれる存在ができたことは、生きる意欲につながるだろう。二人は今回が初対面だったが、ティアリーちゃんは上田先生のもとを離れようとしなかったという。

「カンボジアには毎年訪れる予定なので、子供たちの成長が楽しみです。この幼稚園でたくさん学んで、自分の夢を見つけて、自分の人生を歩んでいってほしいなと思いますね。私たちも、より多くの『ありがとう』を集めるチームになるために、これからもいろんなことに挑戦していきたいですね。」

会社情報

会社名:
上田皮ふ科
所在地:
長崎県大村市小路244−7
Tel:
0957-47-6707
Website:
https://uedahifuka.com/

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